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【奥多摩】 キリンボ尾根(サイグチ窪左岸尾根)・鷹ノ巣山




なまじ「奥多摩」(宮内敏雄)に尾根の名前が記載されているばかりに気になってしまった
鷹ノ巣山の北(西)尾根たる 錐ン棒出ッ先ノ尾根=キリンボ尾根 を訪れました。

キリンボ尾根とは鞘口ノクビレ(お伊勢山<1338m>南鞍部)につながる
サイグチ窪の出合付近から南へ鷹ノ巣山に突き上げる尾根です。

なお取付までは、ヤケト尾根の巡視路から枝尾根を伝って巳ノ戸谷へ降りましたが、
雪のついた急斜面の下降を強いられるルートで、甚だ かつ 全くお勧めできません。
用意をして巳ノ戸谷を遡行した方がよっぽど安全だし、かつ楽しいと思います。

【日程】  2003.12.28 (Sun)      【天候】 快晴
【山名】  鷹ノ巣山(1736.6m)、倉戸山(1169.3m)
【メンバ】  komado
【地図】  1/25000  武蔵日原、奥多摩湖
      エアリア   '02「奥多摩」
【コース】 奥多摩駅 07:25→ 東日原 07:55− 吊橋 09:05− ヤケト主尾根乗越 09:50−
      キリンボ尾根取付 10:40− 巳ノ戸林道 12:10− 鷹ノ巣山 13:20/14:30−
      倉戸山 15:40− 倉戸口BS 16:15

土曜の雪で日原もうっすらと雪化粧。
日原林道へ向かうと日陰に入り、そのせいか辺りの木々も雪がついたままで少々寒々しい様子。

積雪が少なかったので林道歩きにさほど支障はない。
車の轍もおろせ橋で途切れ、雲取帰りと思われる二条の足跡を追って先をいく。

吊橋を渡り、ここでヤケト尾根の水源林巡視路に入る。
枝尾根を離れ、主尾根に向かってトラバースする所で一ヶ所
僅か数mの崩落地が積雪のおかげで怖くて渡れず、ここは慎重に高捲いた。

ヤケトの主尾根を乗越し、東へ延びる枝尾根を辿って下降開始。
高度計は持ってないので正確ではないかもしれないけど
地形の様子から見て、巡視路の通る標高はだいたい1050m位。巳ノ戸谷まで200m近く下る計算だ。

幸いに尾根の形はしっかりしていて難なく降りられたが、尾根末端P手前の鞍部でとうとう行き詰まった。
尾根の両斜面ともに降りるのもはばかられるような急斜面。
左手はかの忌山ノ悪場の核心部なので下降は論外。
右手には遙か下に巳ノ戸谷の流れが見え、目的のキリンボ尾根はもう目の前。

しばらく考えたが、右手の斜面を注視していると、
立木がけっこうありなんとか降りられそうなルートが見えてきた。とりあえず下降を再開する。

斜面は新雪がうっすらとついてかなり滑りやすく、
一段一段、身体を確保できる箇所に移りながら慎重に下り
20分以上かけて何とか巳ノ戸谷に降り立った。

巳ノ戸谷の水で顔を洗い、心を落ち着けてから目の前のキリンボ尾根に取付く。
普段なら問題なく登れる斜面も、うすくついた新雪のおかげで滑りまくってオソロシい。
やがて絶好の手掴みになるスズタケが現れた時の喜びようといったら・・・(笑)。

スズタケはさほど濃くなく、切り開きもしっかりしていて今回は助かった。
新雪の感触は快いが、相変わらずズルズル滑りまくる。
でも藪ではアイゼンをつけた方が危ないので我慢してなお登っていく。

左手に見えるお伊勢山が近づき、巳ノ戸林道の水平なラインが見えてくると
尾根がようやく緩み、ブナやツガの自然林を愛でる余裕も出てきた。
まもなく尾根を左右に乗越す巳ノ戸林道に飛び出す。おそらく1350m位か。
しかし、ここまで来るのにすでに4時間もかかっている。

さすがにお腹も減っているが我慢して、先をいく。
しばらく登ると藪がなくなり、尾根はアセビが目立つ岩がちの様相に変わった。



やがて再びスズタケが現れたが、すでに鷹ノ巣の山頂も見えだし右手の日陰名栗も間近。
振り返ると今秋歩いた大雲取谷を巡る山稜を一望できるのも新鮮でうれしかった。

なおも登ってようやく、という感じで稲村岩尾根の登山道に飛び出し、
南へ数分で鷹ノ巣山の山頂に辿り着いた。

すでに13時を大きく回っており、ハイカーもまばら。辺りはもう霞み始めている。
でも、折り重なる山稜の奥に富士の見える鷹ノ巣からの鳥瞰は、石尾根で一番美しいと改めて思った。
人が多いので個人的にはあまり訪れる機会はないが、ほんとうにいい山だ。

ということで14時には撤収、のつもりがついつい長居をしてしまい、
結局 日が落ちるのと競うように榧ノ木尾根を駆け下った。




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花のひかり

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